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百貨店のショッパー

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百貨店の西武渋谷店が2026年9月末をもって閉店し、58年の歴史に幕を下ろすことが報じられました。「セゾン文化の核」と言われ時代を牽引した同店が一区切りを迎えることは、一つの時代の変化を感じさせます。そんな百貨店の歴史やアイデンティティに身近に触れられるものといえば、買い物の際に手にするショッパー(紙袋)ではないでしょうか。手に提げて街を歩くだけで誇らしい気持ちになる様な、特別な高揚感を与えてくれる存在です。今回は代表的な百貨店のショッパーデザインについて調べてみました。
伊勢丹
伊勢丹
伊勢丹の象徴であるタータンチェック「マクミラン/イセタン」(左)は、1958年に誕生して以来、半世紀以上にわたり愛され続けています。スコットランドの紋章登録所であるスコットランド・タータン登記所にも正式に登録されており、伊勢丹の独自性と伝統を象徴するデザインです。(スコットランド タータン登記所は、全世界のタータン柄を一括統制するためスコットランドが国として管理している機関とのこと)
「ブラックウォッチ」(右)は、スコットランド軍の黒い見張り番を由来とする伝統的な格子柄です。伊勢丹では1968年の男の新館(現・メンズ館)誕生時に採用されました。2014年に意匠が刷新され、緑・青・黒の配色に日本の伝統色である丹色が加えられ、歴史を重んじながら独自の文化を育む象徴となっています。
西武
西武
現在の西武のショッパーの原型は1972年、池袋本店の増築計画に合わせて田中一光氏によって制作されました。国際指名コンペで現行のデザインが提出されましたが採用者なしという結果が出ています。のちに店舗限定で採用したところ評判を呼び、全国展開へと至りました。田中一光氏はこのデザインについて「縞に格子に水玉」という文様の原典を挙げていて、どれほど流行が撹乱してもいずれストライプ、チェック、ドットに戻ってくるというテキスタイルの考えをデザインに取り入れたそうです。季節や催事に合わせて様々なバリエーションが制作されましたが、一貫してブルーやグリーンを基調としたミニマルなスタイルが保たれてきました。西武百貨店がそごうと経営統合した際に、廣村正彰氏によってリファインされています。
三越
三越
1950年に誕生した包装紙「華ひらく」は、画家・猪熊弦一郎氏が海岸の石から着想を得た抽象的な赤い図形に、当時宣伝部に在籍していたやなせたかし氏が書体を配し、戦後日本の復興期に鮮烈な印象を与えました。
2014年には、この伝統を継承しつつ「実り」と題された新デザインが導入されました。友禅の人間国宝・森口邦彦氏が手がけたこの意匠は、りんごの収穫を幾何学的な格子模様で表現したものです。伝統的な染織技法と現代的なグラフィックが融合し、時代や世代を超えて永く繁栄しつづけていくことへの願いが込められています。

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