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違和感展

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こんにちは。今年4月から入社いたしました新入社員のIです。
初ブログを担当させていただくにあたって、先々月まで銀座で開催されていた【AC部違和感ナイズ展】について書かせていただきたいと思います!


AC部違和感ナイズ展

まずはじめに、AC部とは1999年に大学生3名が立ち上げた日本の奇才と呼ばれるクリエイティブユニットであり、一度見たら忘れられない独自の作風でさまざまな活動を行なっています。
今回の展示内容は大きくROOM 1 〜 3まで分かれており、一つ目の部屋であるROOM 1はAC部が人々の記憶に残るためにどのような実験を行なってきたのかという"ネタばらし"が図解されていました。


【関節ジオメトリックス技法】1999年ころ
当時入手したパラパラダンス映像に衝撃を受け、その動きを再現するため、試行錯誤して開発された。この技法を用いることにより、絶妙ななめらかさで劇画キャラをダンスさせることに成功した。

【ハイブリッドスタイル技法】2000年ころ
それまで実現不可能と思われていた、画風の異なる絵柄を一つの画面に混在させる技法。セルアニメ風のタッチや厚塗りのタッチ、実写素材などをAC部独自のブレンド感覚によって調合・配合し、絶妙な緊張感とヌケ感を醸し出すことに成功した。

【素材スターシステム】2003年ころ
AC部は、作中に登場するエキストラキャラの制作にも必血を注いでいる。彼らは単なる背景の一部ではなく、一人ひとり独立したキャラクターとして存在する"AC部専属俳優"であり、作品の垣根を超えて様々な形で頻繁に登場し、AC部のブランドイメージ向上に寄与している。

【ダイレクトドローイング技法(DDT)】2009年ころ
実写で撮影した動画素材の顔などに、質感をマッチングさせたドローイング素材を貼り付け、モーション・トラッキング技法を施すことにより、現実と幻想の境界を巧みに行き来するような表現を作り出すことに成功した。これはロボット工学における『不気味の谷現象』に似てると言われている。

【3Dレイヤー飛散技法】2018年ころ
疑似的3D空間に平面レイヤーを配置してアニメーションが作成できる、Adobe Aftereffects『3Dレイヤー』という機能をベースにした技法。顔などの各パーツ間の距離を極端に引き離して配置し、カメラアングルを動かしていくと、レイヤーが飛散するようにダイナミックにデッサンが破綻していく。それが視覚情報の錯綜を促し、視聴者の脳に適度な負荷をかける効果をもたらす。


次にROOM 2・3では、ROOM 1にて図解された実験内容を実際に用いた絵画作品やアニメーション作品が展示されていました。AC部独自のアニメーション世界が2Dのキャンパス上で繰り広げられていて、部屋の中央に置かれたベンチに座って思わず何十分も同じ絵を眺めていました。


展示内画像1

展示内画像2


今回の展示テーマとなっている"違和感"とは、人それぞれ既に出来上がっている固定観念に一味違うスパイスを加えることであり、AC部が20年以上にわたって行なってきたそれは、ショートケーキに醤油をかけるような挑戦の連続で、飽きっぽい我々現代人の舌に新味を届け続けてくれているということ。AC部のアバンギャルドな作風の裏に常に存在した生真面目さを感じることができて、とても良い刺激になった展示でした。


展示内画像3

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