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情報に道筋がなければ伝わらない

Creative Member

デザインチームのSです。

今回はデザインについて「情報の設計」をテーマに書いていきたいと思います。


情報の設計とその量

デザインというものはパッと見の印象が良くとも
情報の順序や関係性が整理されていなければ見る人は戸惑い、混乱してしまいます。
見せるというより、どう導くかが優れたデザインの肝と言えるでしょう。


極端な例を挙げれば今年の春頃にバズっていたこちらのマクドナルドの広告。

(もちろんこれはあえて拙い構成でもって、ユーモラスに作成されたものですが)


ベーコンポテトパイの画像.jpg


商品名や画像、発売期間、キャッチやユーザーの声まで詰め込まれていて気持ちは伝わるのですが......
見る側は「で、何を伝えたいの?」と困ってしまいます。

順番や優先順位、そして情報の"量"も重要だということが、
こうしたケースからもよくわかることと思います。


話すことも"情報設計"の一つ

そしてこれは私たちの日常会話や人を評価する場面でも同じことが言えることでしょう。


チキンタツタの画像.jpg


上記は同じくマクドナルドの新商品広告。
情報がうまく設計されたデザインでは、見る人の目線が自然に誘導されることはもちろん
良い意味で印象が操作されるよう設計されています。
えてしてジャンクフード呼ばわりされ、悪印象で語られることも少なくないハンバーガーに
どこか気品すら漂っているかのように感じられるのではないでしょうか。


一方で日常の会話ではどうでしょう。
話が始まったと思ったらすぐに脱線し、聞くに耐えない内容が延々と続く......。
話し手は楽しそうに盛り上がっていても聞き手は内心辟易とさせられてしまう。
そういう場面、意外とありますよね。

もちろんこういったケースは私自身耳に痛い記憶はありますし、雑談や余談が一概に悪いわけではありません。
ただ、話の内容の良し悪し以前に、無駄話が多いことそのものが周囲の人間の集中力や時間を奪うという点には
立場を問わず、人として最低限敏感でいたいものです。

情報が過剰な広告が"目の時間"を奪うように、
整理されていない無価値な会話は"耳と心のリソース"を静かに確実に消耗させることでしょう。


たとえば採用面接のように限られた時間で信頼を築く場面では特に"情報設計"の力が問われます。
話し手の熱量が高いのは決して悪いことではありませんが、
当然のことながら時間は有限で、聞き手の集中力も無限ではありません。

自身のあやふやな経験則ではなく、構造のある伝え方が記憶に残るメッセージを生み出すのではないでしょうか。
面接担当者への。


とはいえ、今回お伝えしたいのは「話し方を直しましょう」ということではなく、

あくまで「情報設計の発想を、もっと色々な場面に応用してみませんか?」という提案です。


構造のない情報はやがて迷子になります。
それはデザインにおいても人とのやりとりにおいても同じことのように思われます。
私たちは毎日何かを伝えながら生きています。
だからこそ、その伝え方にはもう少しだけ考えを巡らせてもいいのかもしれません。

デザインがそうであるように、会話や評価も構成力が多くを語るのではないでしょうか。
そんなことを、日々の仕事と周囲の人から伝え聞く心情を通じてよく思います。
(普段から喋りすぎな自らへの戒めを込めて)

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